人はなぜ睡眠を削るのか?
ドラえもん「りっぱなパパになるぞ!」(てんとう虫コミックス第16巻に収録)に登場する、ドラえもんのひみつ道具の「すいみん圧縮剤」。
未来の世界で、のび太の息子であるノビスケの時代には普及しているらしく、
(といっても時代設定は2002年、つまり平成14年なんですけどね…)
飲めば1時間寝ただけで10時間分の睡眠と同様の疲労回復効果が得られるというシロモノ。
ドラえもんの世界だと、2017年ではすでにすいみん圧縮剤は当たり前になっているのだろうが、もちろんまだそんなものは存在しないです。
しかし日々睡眠を削って生活をしている、日本の働く人たちにとっては喉から手が出るほど欲しいでしょうし、あったら良いのにと思うのではないでしょうか。
覚せい剤は捕まるわけで当然使用しないでしょうが、
それには到底及ばないまでも
眠気覚ましのドリンクやエナジードリンクを多飲している現代人の心理的背景には…
もっと時間がほしい!
と思っているのではないでしょうか。
その時間欲しさに睡眠を削るしかないのですが、睡眠を削ったところでかえって眠気と格闘する羽目になり、効率は低下してしまう結果を招いてしまった経験ありませんかね?
徹夜明けがまさにそんな感じでしょう。
睡眠不足が続いた時の体調は劣悪さを物語ります。
疲労感はなくとも疲労は回復せず蓄積しているわけですから、免疫力も下がります。
口内炎や口唇ヘルペスが出来たり
カゼを引いたり、なかなか治らなかったりするのも
免疫力が下がればこそ。
20年前と今を比較すれば、ドラえもんとはいかなくても
技術は格段に進歩し
ありとあらゆるものが
便利になり手に入るようになりました。
便利になった分、以前よりもかかる時間は遥かに短縮できました。
本来であれば
便利になった分、時間の余裕が生まれるはずです。
その分、余暇を楽しむ時間が増えるはずで
家族や友人と過ごす時間も増えるはずで
より健康的な生き方が出来るはずです。
なのに昔より時間に追われるようになった…
ちっとも健康的な生き方になっていない…
そんな風に思ったりはしないでしょうか?
便利になったにも関わらず、かえって
時間の使い方にゆとりがなくなった…
ということなのです。
便利になって携帯電話やスマートフォンを常に持ち歩くようになりました。
それは常に連絡が取れる状況になったということであり、
つねに監視下におかれている状態でもあるということなのです。
その状況下に居ることが当たり前になっていくと
常にオンライン状況でないと不安になりがちで
携帯とインターネットが手放せなくなるのです。
これもある種の中毒症状(ジャンキー)でしょう。
それはないことに異常なくらい不安を感じることの裏返しでもあるのです。
時間の使い方=生き方
生き方にゆとりがなくなった
とも言いかえられるのではないでしょうか。
睡眠時間を削ってでも行動するということは
常に何かの脅威に晒され
おびえているような状態
そんな状態でぐっすり、ゆったりと眠れるはずもなく
不眠症になってしまうのも致し方ないとも言えるのです。
睡眠を削ってでも時間を得ようと欲する心情が
実は心身をじわじわと蝕んでいっているのです。
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